夢を持たない子ども
「将来、何になりたい?」
ときどき生徒にたずねます。ほとんどの生徒が、「わからない」「決まってない」などと、大人になったら就きたい職業がまだ見つかっていないようです。職業意外にも、こういうことをしてみたい、というものもなさそうです。もちろん、明確なイメージを持って、そこに向かうためにがんばるという子もいます。しかし、最近はそのような「夢」を持つ子が少なくなってきたような気がします。大人が将来に夢を持てず、現実に妥協しているのを見て、子どもも子ども本来の想念である夢や希望を持つことをあきらめてしまっているのでしょうか。
近いところにある目標は、達成の可能性を感じるので、やる気が起きます。将来の夢や希望は、近い目標達成のやる気を後押しし、連続する目標達成にも継続的なパワーを注ぎます。ゆえに、自分のなりたい姿、実現したいことを持つことは、いろいろなやる気を押し上げることにつながるのです。
やりたいことが見つからないという子は、将来のことを思うときに、実現しない状況を考えるのがクセになっているのだと思います。実現の可能性がある程度見込むことができても、否定的なイメージを次から次へと思い浮かべることで、自ら実現可能性を下げてしまうのです。上にも書いた通り、大人がそうして見せることで、子どももそれにならっていると考えられます。
そのような呪縛から解放するためには、トレーニングが必要です。
頭の隅にある、小さな夢を思い出したら、それがかなったときに、自分はどのようになっているかをイメージします。ゆったり座って、頭と視線はやや上向きにします。
その夢の実現はいつ、どんな場所でしょうか?自分の表情・動作・服装、周りの人たちの表情・動作はどんな様子ですか?どんな声や音が聞こえるでしょう?イメージが膨らむにつれて、胸が熱く感じるはずです。
夢が実現されるまでの途中の、さまざまな困難や苦しみを考えそうになったら、振り払ってください。今はそれを考えるタイミングではありません。あくまで自由に発想することです。
空想家、夢想家と呼ばれる人たちがいます。ビジネスの世界においても、どのようなことを成し遂げたいかという、明確なイメージを持っている人が成功します。夢を持つことは、生きる力を得ることでもあるのです。