しつけの副反応

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しつけの副反応

前回は「○○してはいけない」という”禁止令”のお話しをしました。これらのメッセージは、子どもがまだ言葉もよく分からないうちから、親の「子ども」の心(自我)の状態から伝えられ、子どもの「子ども」の心の状態に保存されます。メッセージ性が極めて高く、一生持ち続けることになります。そしてそれらは、子どもの”人生の脚本”のベースになるのです。
親が無意識のうちに子どもに与えたメッセージによって、その子は一生の生き方を決めてしまうのです。

 

一方、ある程度言葉が理解できて、使えるようになってからも親から与えられるメッセージがあります。主に言葉で伝えられますが、非言語のものもあります。これらは親の「親」の心の状態から発せられ、子どものやはり「親」の心の状態に保存されます。上記の”禁止令”が親の「本音」とすると、これらのメッセージは「たてまえ」ということができます。
通常、しつけや教訓として与えられます。個々のメッセージには悪意はありません。親は子どもが社会で生きていくために必要な要素と考えています。しかし、ある状況においては、子ども自身が生きづらさを感じる原因にもなります。特にストレス下にあるとき、その影響による言動が顕著に現れます。

 

難しいものではありません。普段から子どもに言っていることです。主なものをご紹介します。

 

【完全であれ】
「きちんとやりなさい」「しっかりしなさい」「そんなんじゃダメ」といった言葉を受け続けると、「完璧じゃないといけない」「失敗は許されない」と無意識に思い込んでしまいます。そしてちょっとのミスも許せなくなり、強いストレスを感じます。自分自身にだけではなく、他人に対しても完璧を求めます。他人の欠点が目につき、それを指摘せずにはいられなくなります。
私がみている生徒の中にも、ノートを必要以上に時間をかけて丁寧に書いたり、何度も何度も書き直す子がいます。これは「完全であれ」というメッセージが心の奥に保存されていると考えられます。

 

【努力せよ】
「もっとがんばりなさい」「一生懸命やりなさい」と言われ続けると、努力するのが当然であり、努力しなければ他人に認められないと無意識に思い込むようになります。力を抜くこと、リラックスして楽しむことは悪いことと考えます。常に高い目標を持ち、誰よりもたくさんの仕事や勉強をしますが、結果につながらないこともあります。しかし、価値は結果ではなく、努力することに置いているので、うまくいったとしても決して結果に満足することはありません。また、他人にも同様の努力を求め、「がんばらないヤツはダメだ」と考えます。
実力以上の志望校を目指して、1日10時間勉強するような生徒はこのような信念を持ち続けているかもしれません。

 

【急げ】
子どものころから親にいつも「早くしなさい」「もっと急いで」「モタモタしないの」などと言われ続けることで、常に焦燥感を持ち、何事も「早くやらなければ」「急がないと」と感じるようになります。人の話を聞きながら、指をトントンと小刻みに動かしたり、貧乏ゆすりをします。話し方は早口です。予定が埋まっていることで安心し、暇な時間があると落ち着かなくなります。仕事や勉強は早いのですが、じっくり物事を考えられなかったり、ひとつのことを最後までやり遂げることができず、中途半端になることもしばしばです。
勉強では、ある教科の勉強をしていても、他の勉強のことが気になり、すぐに止めて別な教科の勉強を始めます。したがって、成績も伸び悩みます。

 

他にも代表的なものとして、「強くあれ」「人を喜ばせる」があります。これらの信念を持ち続けている人は、独特の言葉使い、身振りや姿勢・表情をするのですぐに分かります。どのような信念・思い込みを持っているかが分かれば、それに合わせた付き合いかたをすればいいのです。

 

これらの信念は必ずしも悪いものではありません。生きていくうえで、大いに役立っている部分もあるでしょう。しかし、これらによって辛い、苦しいと感じることが多ければ改めなければなりません。それには、やはり「許可」が必要です。「そうしなくてもいいんだよ」という許可を与えることで、不必要な”呪縛”から解放されることができます。

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