過去より未来
期末テストショックから少し時間が経って、落ち着きを取り戻したころですね。
今回の反省を踏まえて、次回はもっとがんばるぞ、または、がんばってほしいとみんなが思っていることでしょう。
今回の期末テストを振り返るとき、周りの人たちは以下のような質問をします。
「なぜ、こんな点数を取ったと思う?」
生徒自身に勉強のプロセスを振り返らせ、問題点を認識し、改善策を考えさせる、コーチングっぽい質問に聞こえます。そしてその返答は次のような感じです。
「勉強しなかったから。」
さらに、
「どうして勉強しなかったの?」
「部活で疲れていたから。」あるいは「ゲームしてたから。」
これを繰り返して何がわかるのでしょうか?
勉強しなかったのはとっくに知ってます。どうせ部活やゲームのせいにすることも。
それを改めて口にさせて、責任の所在を自覚させたいのかもしれませんが、子どもはテストに失敗した理由をそこに結び付けて、権威者から承認をもらっただけです。子どもにとって、その理由の正当性(原因の明確さ)が認められた瞬間です。
時間は流れ続けています。テストは終わりました。テスト勉強はその前に終わっています。過去の出来事をしつこく問い詰めても、過去は過去。すでに変えることはできません。
それよりは未来に目を向けることができるサポートをしてはどうでしょうか。
そこで、以下の質問をしてみます。
「この間のテスト、何点取りたかった?」
すると、
「80点は取りたかった。」
続けて、
「じゃあ、次はどうしたい?」
答えて、
「90点取りたい。」
次に、
「もし、90点取れたとしたらどうだろう?」
そして、
「お母さんが喜んでくれて、お小遣いアップする。」
そこで、
「お小遣いアップするんだ。アップしたらどうなる?」
そうしたら、
「新しいゲームを買う。」
それで、
「新しいゲームを買うんだ。いいなぁ。よし、じゃあ、何から始めようか?」
目標はゲームでしたが、目標のために勉強をするということが明確になりました。”何のためか分からない勉強”から”楽しみを得るための勉強”に変わりました。彼はめちゃくちゃがんばって勉強を始めたことは言うまでもありません。
90点を取ることそのものを目標にするよりは、90点を取ったとき、どのように自分や自分の回りが変化するかを想像して、その期待を胸に秘めたほうが、断然モチベーションが上がります。
未来へ意識を向けることで、目標が明確になり、そこに向けてやるべきことも見えてくるようになります。さあ、未来に向けて質問してみましょう。