女の子なんだから、優しくしなさい
子どもに物心がついてくると、親が子どもに施す”しつけ”が多くなってきます。言葉で理解できるようになるので、生活するうえで大事だと思うことを伝えることができます。そしてそれは、子どもがずいぶん大きくなるまで続きます。
「男の子なんだから、めそめそしないの」
「女の子なんだから、優しくしなさい」
「お兄ちゃん(お姉ちゃん)の言うことを聞きなさい」
「(弟または妹と)ケンカしちゃだめ」
「いい子ね、いつもお手伝いしてね」
「(失敗しないように)もっとがんばりなさい」
「そのくらいできて当たり前でしょ」
「何をモタモタしてるの、さっさとしなさい」
このようなメッセージはどれも、子どもがちゃんとした大人になるようにと、ときには強く伝えられます。親の信念・信条や価値観から出てくるもので、親も同じようなメッセージを受けながら育った可能性が高いです。
これらのメッセージには、必ず肯定的な意図が含まれていて、日常生活を送るためにはある程度必要なことでしょう。困難にあっても簡単にあきらめずにチャレンジしたり、人の役に立ったり、周りとの調和をとれるようになったりします。
しかし、これらのメッセージにとらわれすぎると、融通が利かなくなったり、自分を追い詰めたり、自分の気持ちを制限したりすることになります。本来、正しくあるべきと思って伝えたメッセージが、いつの間にかその子を苦しめていることもあるのです。
お子さんを見ていて、「少しガンコなところがあるな」とか、「我慢しすぎているかも」と感じることがあるとすれば、それはお子さんが小さいうちから親が与えたメッセージの影響かもしれません。
大人であれば、「ちょっと待てよ。今回はちょっと違うな」と気づくこともあります。子どもでももちろん同様な気づきは得られますが、大人に比べるとやや難しいと思います。「うちの子、どうなのかな?」と思ったときは、子どもに寄り添い、本音を引き出すよう、たずねてみましょう。
「本当はどうしたいの?」
必要のない場面ではメッセージに従わなくてもいいということを伝えられたらと思います。