また忘れ物をしたの?ダメな子ね。
よく忘れ物をする子がいます。「次は忘れないように、何かに書いておきなさい。」と言っておいたのに、また忘れてきます。忘れ物をしてへっちゃらとは思っていないようで、毎回申し訳ないような態度を示しています。聞くところによると、学校の授業でも忘れ物をすることがよくあるそうですが、部活の道具などを忘れることはあまりないようです。そうすると、障害的なものではなく、意識の問題のようです。
学校で頻繁に忘れ物をすると、当然、先生から怒られます。
「また忘れ物をしたのか?本当にどうしようもないヤツだな。」
先生も何とか忘れ物をしなくなるように注意はしているのですが、頻繁にそれが起こると、徐々にあきらめてしまうようになるかもしれません。そして、内申点に反映されることになります。
先生でなくても、忘れ物のようなちょっとした不注意を繰り返されると、「あいつはダメな人間だ」とか、「まったく使えないやつだ」などと非難してしまいがちです。
また、本人も「こんなに失敗ばかりして、オレは価値のない人間だ」などと思ったりします。
しかし、たとえ失敗が多かったとしても、ダメな人間だとか、価値のない人などということはありません。忘れ物をよくする人は、そのような行動パターンを身につけてしまっているだけなのです。
すべての人にポジティブな価値があります。人は価値のある存在なのです。そして、忘れ物を多くするからといって、その価値が目減りすることはありません。人の価値は一定なのです。
ただし、価値が一定だからと言って、忘れ物をしても良いということにはなりません。忘れ物をよくすることで学校や職場で迷惑をかけていたり、自分自身を非難して委縮するようであれば、何か手を打たなければなりません。
自分(あるいは相手)は価値がないと”断罪”するのではなく、自分の内側や自分の周りで起こっている”反応”が価値があるかどうかに着目するようにしましょう。