励まし方
定期テストや入試が近づいてくるなか、もっとがんばってほしいと、わが子を励ます言葉にも力が入りますよね。勉強していることは分かっているつもりでも、どこか物足りないような気がして、さらに努力をしてほしいと思ってしまいます。キリがない心配です。
一方、子どものほうはというと、そんな心配など露知らず、”自分なりに”がんばっているのに、いつも同じようなことを言われて、うるさいなほどにしか感じていないことが多々あります。
いまいちやる気が見られない子に、良い声のかけ方はないものでしょうか?
「あと3つ成績が上がれば、内申点も1ランク上がるのよね。チャンスだから、がんばってね!」
具体的な目標を提示していることは良いことです。どの教科をがんばるか考え、テストの戦略が立てやすくなります。しかし、これは以前から言ってきたことだとしたら、新鮮味がありません。「そんなことは分かってる」と感じ、お母さんの思いがすぅーと胸の中に入っていきません。
「いつもがんばってるね。みんな分かっているわ。このあともするのね。すごいね。」
この文章を読んだだけだと、何について言っているのか分かりません。しかし、これを聞いた子どもは、「がんばっていることをちゃんと分かってくれてたんだ」と考えます。そして、「もっとやろう!」という気持ちになります。
抽象的な表現を使うと、それを受け取った人はその意味を自分に都合よく自由に解釈します。この効果は信頼関係が深ければ深いほど威力を発揮します。見ず知らずの人に言われても訳が分からないと感じますが、いつも話を聞いてくれているお母さんから言われると、言葉以上にインパクトを与えることになるのです。
具体的なアドバイスや励ましの言葉は大事です。でも、時には曖昧な言葉を使って、相手の無意識レベルを刺激することで、やる気を出させるやり方を試してみてはいかがでしょうか。