自分で決めなさい!
子どもがお母さんに依存しすぎるという話をときどき聞きます。どういうことかと聞くと、自分では何も決めず、何でもお母さんの判断を当てにするのだそうです。お母さんとしては、子どもが中学生にもなれば、自分で良い悪いを判断し、どうするかを自分で決めてほしいと思っています。
自立するということは、自分で判断するということが基本です。それができないと、いつまでたっても”甘えん坊”のまま。心配になりますよね。
何かを判断するためには基準が必要になります。今までに経験のない、新しいことをするときは判断のための基準を持っていないのが普通です。もちろん、似たような過去の事例を引っ張り出して、それを基準にすることはあります。しかし、あまり人生経験が多くない子どもには、経験の引き出しも多くありません。判断基準を持っていなければ、人の意見を参考にするしかありません。
逆に多くの経験や知識を持っている場合は、他人からああしろ、こうしろと言われるより、自分で決めたいと思います。他人の意見をまったく聞かないということではありません。他人の意見は情報として取り入れます。それも踏まえて、自分自身で判断するのです。
世の中には、自分で判断したがる傾向の人、他の人に決めてもらいたがる傾向の人がいます。すべてのことに対して同じ傾向を持つというわけではありません。それぞれの物事に対する経験や知識、あるいは興味の度合いによってもその傾向は異なります。
コミュニケーションを取ろうとするとき、相手の傾向に合わせることで、よりスムーズなやり取りができます。
おススメを求めている人に、「自分で決めなさい!」と言い放ったところで、コミュニケーションは成功しません。反対に自分で決めようとしている人に、あれこれ細かいアドバイスをするとうるさがられます。
相手の言葉から、どのような対応を望んでいるのかを読み取り、それに合った言い方ができると信頼感が生まれます。
いつまでも人に頼るわけではありません。いろんな経験を積んで、成熟すると自分で判断できるようになるのです。