部活に夢中なのは子ども?それともお母さん!?
2学期に入って秋の大会もあり、部活はますます盛んなようです。指導する先生たちも力が入ります。そして、お母さんも。
「部活も大事、勉強も大事です。文武両道です。」
まあ、文武両道の意味はひとまず置いておいて、お母さんとしては勉強も部活も一生懸命やってほしいと思っているようです。何にでも一生懸命打ち込んでいる姿は見ていて気持ちのいいものです。わが子もそうあってほしいと願うのは当然です。
しかし、多くの子どもはお母さんの理想のように、はじめから何でもうまくできるわけではありません。どの子にも潜在的に勉強もスポーツも上手にやれる能力はあると思います。しかしその潜在能力が開花する時期には個人差があるはずです。中学早々にできる子もいれば、高校・大学になってから能力が活性化する子もいます。
”いろんなことができる能力”は周りの人たちがいくら発破をかけても簡単に出てくるものではありません。本人がその気にならないと、その能力はずっと眠ったままです。そして、”どっちつかず”になってしまうかも。その気にするにはどうしたらいいでしょうか?
「こうなりなさい」と、お母さんの希望・理想を要求する前に、お子さんに問いかけてみましょう。
「本当はどうなりたいの?」
お子さんが現在、どのように考えているかを聞いてみます。お母さんの前では良い子でいたいので、お母さんが望んでいることを言うかもしれませんね。
「お母さんは部活も楽しんでほしいと思っているし、勉強もして高校や大学に進んでほしいとも思っているの。でも、それを決めるのはあなた。お母さんがいつも言っていることは忘れて、本当は何がしたいと思っているのか聞かせて。」
「部活は楽しいから続けたい。この間、学校で聞いた福祉の仕事に興味があって、大学で勉強したいなって思っている。」
意外な答えが返ってきました。勉強や成績そのものではなく、自分の将来を見ているようです。これはすごく大事なことです。
「大学で勉強して、福祉の仕事をしたいと思っているのね。すごいじゃない!お母さん、とってもいいと思うわ。それでどうしたいの?」
「ぼく、ちょっと大学を調べてみたんだ。そしたら、○○大学でぼくのやりたい仕事の勉強ができるみたい。それに写真に出てた校舎がかっこいい。だから○○大学に行きたい。」
「○○大学ね。いい大学だと思うわ。○○大学で勉強できたらいいわね。そのためにはどうしようか?」
「今の成績じゃ難しいと思う。もっと勉強しないと。」
「今のままじゃ難しいと思っているのね。じゃあ今から何をしようか?」
「部活は辞めたくないから、毎日どのくらい勉強時間が取れるか予定表を書いてみる。1日2時間は勉強したほうがいいよな。」
「1日の計画を考えてみるのね。グッドアイディアね。ご飯の時間やお風呂の時間とか、お母さんも相談に乗るから、何でも言ってみて。」
「うん。やってみる。」
子どものほうが、お母さんの理想や希望より具体的なビジョンを持っていたようです。お子さん自身が将来に目を向けることで、今何が必要かを気づくことがあります。
勉強も部活も一生懸命と言っているお母さん自身が、なかなか伸びない成績よりも、部活をがんばっているわが子の姿を追い求めていませんか?その結果、部活が”主”になり、勉強が”従”になってはいないでしょうか?
そして、お母さん、子どもにどうなってほしいかではなく、あなた自身本当はどうしたいですか?自分に聞いてみてください。