知ってるんだけど、できない
新型コロナウイルス感染拡大によって、学校の予定も大幅に変更されています。修学旅行がまだ暑いこの時期になったり、1学期の期末テストも9月に行う中学校が多いみたいです。
定期テストが近づくと、塾での勉強も佳境に入ってきます。そんな中、特に数学で、何度も練習問題をやってもつい間違えてしまうということがときどき起こります。間違えた問題について「どうやって解けばいいの?」と聞くと、きちんと答えられます。解き方は分かっている。けれども間違えてしまうのです。
学習には4つの段階があると言われています。
第1段階は、やり方も知らないし、できないという状態です。勉強する前はまさにこの状態にいます。
第2段階は、一通り勉強して、考え方や問題の解き方が一応は知っているけれど、実際に1人で問題に取り組んでみると、思ったようにできないという状態です。
第3段階は、習ったやり方で、慎重に丁寧にやっていけばできるという状態です。ちょっとでも気を抜くと間違えてしまいます。
第4段階は、問題にも慣れてきて、スムーズに解けるようになった状態です。おそらく、頭の半分も使っていないでしょう。手が勝手にどんどん動くと表現する子もいます。
前述の何度も間違える子は、第2段階にいると思われます。知っているのにできないということにストレスを感じ、やる気がなくなることもあります。あきらめの早い子は「オレは数学が苦手だ」となります。
この段階で悩んでいる子に、この4つの段階の話をすることにしています。誰でもその段階を経験する、その段階を経験しないと次の段階に進めない、そして必ずできるようになるという話です。
「最初はアルファベットを書けなかったのに、今では何も考えなくても書いているでしょ?」
今までもいろいろなことを習得してきました。その自分を信じることこそが大事なのです。