あの失敗したテスト、もう忘れたの!?
前回の定期テストから1か月近くたち、そろそろ喉元を過ぎた頃です。満足のいかない点数を取った生徒も、答案が返ってきた直後は「次はがんばるぞ!」と意気込んでいましたが、夏休みが近づくこの時期になると、すでにそれは遠い過去。すっかり以前ののんびり勉強に戻ってしまいました。夏休みになると、さらにその記憶は薄れ、もしかすると勉強意欲はテスト前より低くなってしまうかもしれません。
そんなことにならないように、あの時の悔しさをエネルギーに変える作業を今一度やっておきましょう。
ところで、テストで悪い点数を取ることは誰しも望んでいるものではありません。しかし、それは全面的に”失敗”ではない、というお話を以前にもしました。解答を間違えた、問題が解けなかったというのは、勉強したことに対する望んでいた結果ではありません。問題を解けるようになるために勉強していたのだから、それができなかったというのは”作戦失敗”のように思えます。
一方で、その結果から分かったこともあります。「あのくらいの時間しか勉強しなければ、この程度の点数になる。」ということに気づいたに違いありません。または、「何回も練習問題をやったのにあの問題ができなかった。自分はあの問題が苦手なんだ。」と分かります。苦手と認識できれば、それをもっとがんばればいいのです。闇雲にがんばるより効率的です。
それらは単に失敗ではなく、自分自身に対する”フィードバック”と考えてはどうでしょう?
身の回りにある機械によく使われる古典的な制御理論では、アウトプットを次のインプットにすることを繰り返して、望む状態を作り上げていきます。実は勉強も同じだったのです!
望まない結果を失敗として切り捨てるのではなく、次のチャレンジへフィードバックすることで、望む結果を得やすくなります。そうすると、それはすでに失敗ではなく、ある意味、”成功”していると言えるのではないでしょうか。
ただ、次のチャレンジへフィードバックするとき、すべてを変えてしまわないほうが得策です。うまくいっていたことと、うまくいかなかったことを見極めて、うまくいかなかったことだけ変えるのです。