コミュニケーションと目の動き
目の動きは、どのような五感を使ってイメージしているかが分かるというお話をしました。そして、それは無意識から来る動きだともお伝えしました。これをコミュニケーションに生かせれば、相手とさらに良い関係を築くことができます。相手の感じ方に合わせた話し方をすれば、相手は共感してくれていると感じるからです。
たとえば、「来年の夏休みも海にキャンプに行きたいなぁ」と本人の左上を見ながら言っているときは、来年のキャンプをイメージしているのではなく、今年のキャンプの楽しかったシーンを思い浮かべているはずです。すかさず、「今年行った海はきれいだったね。お天気も良くて、みんな真っ黒に日焼けしたよね。」などと返すと、会話が盛り上がります。
また、何か考え込んだように、右下を見つめていいるときは、身体で感じる触感や心で感じていることがあります。言葉が出てくるまで時間がかかるかもしれません。少し待ってあげましょう。
こんなケースはどうでしょう?
「テスト、どうだった?」
「まあまあだったよ。」左上を見ながら言います。
「何点だったの?」
「85点だった。」今度は右上を見ています。
左上は記憶しているイメージ、右上は想像しているイメージを見ています。「まあまあだった」と答えたときはテストに書かれた点数を思い出そうとしていますが、「85点だった」と言ったときはイメージを自分で作り出している可能性があり、ウソかもしれません。「今度の懇親会で、先生が褒めてくれるかもしれないわね。」などと言うと、あわてて本当のことを言うかもしれません。
自分自身でもこの目の動きを使って、感性を活性化することができます。
何かのデザインを考えているとき、なかなか良いものが思いつかないときは、右上を見ながら考えてみてください。イメージの想像力(創造力)が活性化し、思わぬグッドデザインが浮かんでくるかもしれません。
仕事や学習の計画などを考えているときは、右横に視線をやってみてください。論理的な思考力が活性化し、矛盾のない適切な計画が浮かんでくるでしょう。
目の動きと五感、そして無意識は不思議ですね。
人によって目の動き方が違う場合もありますので、よく”観察”してから、傾向として判断するのがよいでしょう。