言うことを聞かないんです。
「勉強しなさいっていつも言っているのに、ちっとも勉強しないんですよ。」
こういうお話をたびたび伺います。小学生の頃はまだ聞き分けが良かったけれども、中学生になったら全然言うことを聞かないそうです。
言うことを聞かなくなった原因はいろいろでしょう。そのコミュニケーションのバリアを作った原因を追って、根本から解決できればいいですよね。
それとは別のアプローチとして、言うことが伝わらないのなら、こちらの言い方を変えてみるという方法があります。
「勉強しなさい。」という代わりに、「次のテストは80点取りたいよね。」とか、「もう少しで内申レベルが上がるんじゃない?」などと言ってみてはどうでしょうか。命令調ではなく、相手がこうなりたいと思っていることを、そっとほのめかすのです。するとお子さんの頭の中に、そのイメージが再現されます。それが勉強のモチベーションを発火してくれます。
人とのコミュニケーションにおいて、うまく伝わっていないとか、言ったのにやってくれないということがよくあります。そんなとき、その原因を相手のせいにしてしまうことが多くないでしょうか。「言ったのに何もしないのは、アイツが悪い。」などと思ってしまいます。
しかし、コミュニケーションとは自分が何を言ったかではなく、そのことを相手が受け止め、その反応を返してくれることなのです。
コミュニケーションはテニスのラリーのようです。良いコミュニケーションはテンポのよいリズムでずっと続いていきます。途中で切れてしまうのは、相手が悪いのではなく、相手が返せないボールを打ってしまったからです。いいボールが返ってくるように、いいコースに打ってあげることが必要です。相手を打ち負かすショットではなくて、相手がうまく受けてくれて、また自分のところに返してくれるボールを打たなければならないのです。