本音はしぐさに現れる
「ちょっと、部屋を片付けなさい。」
「はい、分かりましたっ。」
「こっち見て言いなさい!」
「はい、はい。」
誰かと話をするとき、特に大事な話があるときは、どんな方法で相手にアプローチしますか?
コミュニケーションの方法としては、手紙(あるいはeメール)で伝える、電話で話す、Skypeで話す、直接会って話す、などたくさんの手段がありますよね。どれが一番意思疎通を図りやすいと感じますか?
丁寧な手紙を書けば真心は伝わると思います。電話やSkypeでは臨場感が共有できるかもしれませんね。しかし、直接会って話をするに勝るほどではないと思います。
どうしてでしょう?
言いたいことを伝えるだけなら、手紙や電話で十分です。伝わらないとしたら、手紙や電話の価値はないということになります。電話で話せることを、なぜ直接会って話そうとするのでしょう?
そこには、今まで何度かお伝えしてきたように、言葉以外(非言語)のやり取りがあるからなのです。私たちは、そういうやり取りが重要であることを、本能的に知っているのではないでしょうか。
誰かと会って話をしている場面を想像してみてください。相手の表情や身体の姿勢、しぐさ、声の大きさやトーン、話の間(ま)など、たくさんの”現象”を見たり聞いたり感じたりしながら話をしませんか?あなた自身も、無表情、あるいは相手の顔を見ずに淡々と話すことはないですよね。
つまり、あなたは表情や身振りなどを加えて、伝えたいことを一生懸命に話をしています。そしてあなたは、相手の表情やしぐさなどから、あなたの話に対する”反応”を感じ取ります。その”反応”によっては、あなたの話し方は変わるかもしれません。
あなたはその方法を誰かから教わった記憶はありますか?ないですよね。私たちはそれを本能的に、すなわち無意識にやっているのです。無意識でやっていることに偽りはありません。本当にそう感じていたり、考えていたりしているのです。
ですから、コミュニケーションにおいてとても重要なことは、相手の非言語的なシグナルを見逃さないことです。そこに相手の”本音”が隠れているからです。
「聞いてるよ」と言っていても、目線はどこか遠くに行っているかもしれません。相づちをしてくれていても、指や足を小刻みに揺らしているかもしれません。腕を組んでいるときは、何か別なことを考えているかもしれません。
相手の状態をよく見て、その意味に気づくことが、コミュニケーションをさらに円滑にする秘訣です。
お子さんと話をしているとき、どんな様子ですか。お子さんの表情や動き、言葉の発しかたすべてに意味があります。まずは、よく見てみてください。