できない。無理。
「できない。無理。」
教室で勉強をさせていると、ときどきこんなことを言う子がいます。苦手な単元に入って、ちょっとだけやってみたけど、やっぱり分からない。「あー、もう勉強したくなーい。」となります。
ちょっと待ってください。
分からないのはその問題であって、それで勉強全部をやりたくなくなるのは少し行き過ぎですよ。さらに、その問題に苦手意識を持ったのは過去のことです。もう一回チャレンジすると、今度はできるかもしれないじゃないですか。
過去の嫌なことにとらわれて、前に進むことをあきらめてしまっています。自分で自分の可能性をつぶしてしまっているのです。もったいないではありませんか。現在はすでに過去ではありませんよ。そして、可能性は無限です。
そんなとき私はこう問いかけています。
「もし、できたとしたらどう?」
生徒は一瞬、「えっ?」という顔をして、こう答えます。
「うれしいし、自信がつく。」
苦手と思っていた問題ができて、それによってその科目に自信が持てたらすばらしいですよね。そのように考えることで、未来に対する可能性が広がったようです。
「そうだね。自信がついたらやる気も出るよね。で、どうする?」
「もう一回やってみる。」
「いいね!どうしても分からないところがあったらサポートするからね。」
少し時間はかかっても、以前よりずっとできるようになります。自分はできないと感じていたのは、つまらない思い込みだったのです。できそうもないと思っても、「もし、できたとしたら?」という質問で、新しい気づきが得られることがあります。あきらめないでください。