やればできる?
「うちの子、やればできるんです。やらないだけなんです。」
やればできる ― もちろん、きちんと勉強すると知識がついて、問題が解けるようになるという意味です。
やればできるようになるのは当たり前です。勉強をしないから分からない、分からないからテストができないのです。問題は勉強をするか、しないかです。
「うちの子(バカじゃありませんから)、やればできるんです。」
バカという言葉はよく愚かであるときに使われます。そうすると、上記の発言は以下のようになります。
「うちの子、バカじゃないですが、勉強やらないんです。」
勉強するべき時に勉強しないのは、明らかに愚かではありませんか?
勉強をするべき時もいろいろあります。
・学校の授業が分からなくなっているとき
・成績が低迷しているとき
・テストの前
・より高い目標ができたとき
・この科目、面白いなと思ったとき
自分の”勉強するべき時”を認識できるか、そうではないか。ここが分かれ目ですね。
お母さんたちはわが子の未来を心配して、今が”勉強するべき時”だと忠告することがあります。
「勉強しないと成績下がるわよ。」
「勉強しないと○○高校に入れないわよ。」
実は子どもは(大人も)、ネガティブな未来を想像するが苦手です。
良くない状況に陥らないために、事前に対策を立てることができるのは経験のなせる業。人生経験のそう多くない子どもたちには、ネガティブな未来よりもポジティブな未来、すなわち「どうなったらうれしい」かを考えるほうが、ストレートに心に入ってきます。
すると言いかたも変わります。
「もし勉強が分かるようになったら、どんな感じ?」
「もし成績が上がったら、どんなふうになる?」
「もし○○高校に入ったら、どうなるの?」
ポジティブな未来を想像し、そこにいる自分をイメージできると、それに向かって自然と行動に移ります。なぜなら、その未来に対して、今が”勉強するべき時”だと分かるからです。
しばらくすると、別な出来事や条件が起こって、再びモチベーションが落ちるかもしれません。そのときはもう一度、身近な未来から、少し先の未来まで、子ども自身がイメージできるように問いかけてみましょう。そしてあなたは、また子どもの元気な姿を見ることができるでしょう。