やる気になれる目標を作る
勉強や成績の目標を持つことは良いことです。目標がないと行動に移れません。反対に少し高めの目標設定をすることで、いつも以上の力を発揮することがあります。目標は必要です。
それではどのように目標を設定すればよいのでしょうか。
どんなものでもいいというわけではありません。実現に向かってがんばれる目標とはどのようなものでしょうか。
量や程度を具体的に設定することは必要です。「問題集1冊を1カ月でやり切る」や「次の算数のテストで100点を取る」というものです。このような物理量に加えて、次の5つの視点で目標を設定すると、心理面からもやる気を後押しします。
①肯定的な言葉で表されている
「~しない」や「○○にならない」のような否定文で表現する目標は良くありません。「しないことリスト」ばかりだと、何をしたらよいか分からなくなってしまいます。また、人間は否定文を考えるとき、一度その肯定的表現で考え始めます。「100番以下にならない」よりも、「100番以内に入る」のほうが直観的に受け入れやすいのです。
②自分自身が主役となっている
自分の目標です。他人からのレスポンスを期待する目標は良くありません。「先生に褒められたい」や「お母さんから○○を買ってもらう」というものは、本来目指す状態ではなく、二次効果を目標にしています。そのような副産物を得ることよりも、「自分はどうなりたいか」そのものを目標にする必要があります。
③達成時の具体的な感情・感覚が想定されている
曖昧な表現の目標も望ましくありません。「学力をアップする」や「いい成績を取る」などです。実現したときにそれを実感できるような「感情・感覚の基準」があれば志向性が強まります。「100点を取って、お母さんが『やったね』と言うのを聞いて、勉強がもっと好きになる」というように、感情や感覚を想定することはより明確な成功イメージにつながります。
④現状のほうが望ましいことはキープする
自分にとって、現状のままのほうがいいことがあるときがあります。「算数で5を取る」という目標の場合、そのために楽しいゲームを我慢しなければならないかもしれません。ゲームの誘惑を残したままだと、目標へのモチベーションに影響が出そうです。「ゲームは土曜日の4時から6時まで」などと決めて、ある程度気持ちの余裕を持たせておくとよいでしょう。
⑤目標を達成することで反対にマズいことが起きないように
目標が実現すると、なにか問題が起こってしまうようだと、その目標は望ましくありません。「成績が上がるとお小遣い1万円アップ」だと逆にお父さんのお小遣いが減らされて、逆恨みされるかもしれません。周りに対してマズい影響が出ないような目標設定でなければいけません。
このように、目標をいくつかの側面からチェックして、より実現したくなるようなものに仕上げることが大切です。それによって実現可能性がぐっとアップしますよ。